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防水・防塵規格IPコードの意味とは?種類・性能の違いを解説!水洗いOK?

アウトドア用品はもちろん、スピーカーやスマートフォンにいたるまで最近の製品は「防水性能(water resistant)」を備えているものが増えていますね。防水性能を備えたBluetoothワイヤレススピーカーをお風呂に持ち込み、お気に入りのミュージックを聞きながら疲れを取り去る…何と優雅な時間でしょう。

今回は、そんな防水性能を備えた製品を購入する際に必ず見ておきたい項目「防水・防塵規格IPコード」について解説します。防水・防塵規格IPコードには実にさまざまな種類が存在します。それぞれの種類に応じた防水・防塵性能の違いを全てご紹介しましょう。

また、「防水規格の製品ならば、水洗いしてもOKなの?」という疑問にもお答えします。耐水性の高い製品をこれから購入しようと考えている方は、ぜひ当記事を最後までお読みください!

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防水・防塵規格IPコードの意味とは?

IPコードとは製品の保護規格

IPコードとは、International Protectionの略語です。インターナショナルという語句からも分かるとおり、IPコードは日本国内のみの基準というわけではありません。国際的な製品の基準を定める「国際電気標準会議(IEC)」によって定められている保護規格です。

また、IPコードは「防水性能」だけではなく「防塵性能」もあわせて表しています。

防塵性能とは、砂煙などの粉塵や塩害などに対する耐久性を表す性能です。例えば、屋外での作業に使用する製品などを購入する際には、IPコードを確認して高い防塵性能を備えたものを選ぶのがよいでしょう。

「IP〇〇」といったように、〇にあたる部分にはさまざまな数値やXという英字が刻印されています。基本的に、この数値が高いほうが「防水性能or防塵性能が高い」製品となります。

IPXの構成と意味

本来、IPコードとは防塵性と防水性の両方を表す規格数値です。例えば、「IP56」という規格数値の製品は、防塵5級+防水6級という性能を備えています。

すなわち、IPのあとに続く数値のなかで、前半部分が防塵性を。後半部分が防水性を表しているということですね。

具体的にIPコードの詳細を解明しよう

それでは「IPX6」などの数値の場合はどうなるのでしょう?

これはつまり、防塵性については規格テストに通していないということ。「X」とは、「省略」の意味が込められています。「IPX6」の製品の規格数値を付けられている製品の場合には、防塵性については「X」。すなわち、「規格テスト未通過のため数値化は省略されている」ということです。そして、防水性については「6」。すなわち、「6級」の防水性を備えているというわけ。

「X」が付いている場所に注意しよう

「X」は「省略」のほかに「未承認・未確認」という意味も持っています。

  • 「IP〇△」の「〇」の部分に「X」が付いていたなら、その製品には防塵性を期待することはできないでしょう。
  • 逆に、「△」の部分に「X」が付いていたなら、その製品には防水性を期待することはできません。

もちろん、防塵性・防水性を両方とも持っている製品も販売されています。その場合には、「〇」「△」のどちらにも「X」は入っていません。IPXなどのIPコードがスペック表にある製品を購入する際には、「X」が付いている場所にぜひ注意してみてください。

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防水・防塵規格IPコードの種類・性能①:防水性

IPコードの種類を見てみよう

それでは、ここからはIPコードの詳しい種類・性能について見ていきましょう。今回は防水性能を表す「IPX0~8」と、防塵性能を表す「IP0~6X」を分けて解説していきます。それぞれの規格の種類・性能についてを知り、あなたにとっての最適な製品選びにお役立てください。

基準「X」と基準「0」の違いとは?

ここで注意したいのは「0」と「X」の扱いの違いです。「X」とは、規格テストにそもそも通していないため数値化を省略しているということ。つまり、どの程度の性能があるのか断定できない状態です。

対して、「0」は「規格テストに通した結果、防水性or防塵性がない=無保護の状態である」ことを示しています。「X」と「0」は似ているようで少し意味が違うわけですね。

IPX0~8:防水性能について

防水性能については0~8までの9段階に分かれています。それぞれの種類の概要と、性能の違いについて簡単に見ていきましょう。

IPX0特に保護されていない。ノーガード戦法の力石徹みたいなもの。耐水性?何それ、美味しいの?
IPX1鉛直(重力の向き)方向に流れる水滴を浴びても大丈夫。イメージとしては、手を洗って指を下向きにした際に零れ落ちるような水滴を浴びても故障・不具合が発生しないレベルの耐水性。
IPX215度以内の傾きで流れ落ちる水を浴びても故障・不具合が発生しないレベルの耐水性。イメージとしてはIPX1よりも多めに水滴を浴びても大丈夫という程度。無数の水滴(雨など)にさらすのはやめたほうがいい。
IPX3散水にさらされても機能不全に陥らない程度の防水性。散水とは、水を撒くことを指す言葉。軽く撒き散らされた水滴を浴びたくらいならば耐えられる。小雨~中雨くらいならば耐えられる程度の耐水性。
IPX4上下左右あらゆる方向からの散水にさらされても機能不全に陥らない程度の防水性。水滴レベルの浸水であれば、どの方向から水を浴びても故障や不具合は発生しない。
IPX5あらゆる方向から噴出する水流(噴流水)を当てられても故障や不具合が発生しない程度の耐水性。IPX4までは水滴だったが、IPX5とIPX6については水流を浴びたときの耐水性を表している。イメージとしては、蛇口をひねったときにチョロチョロと出てくる水を浴びても機能不全に陥らない程度の防水性。
IPX6あらゆる方向から激しく噴出する水流(噴流水)を当てられても故障や不具合が発生しない程度の耐水性。IPX5のパワーアップ版。蛇口を全開にひねったときに出てくるような激しい水流を浴びても機能不全に陥らない程度の防水性。
IPX7一時的に少しの時間、水中に置いても故障や不具合が発生しない程度の耐水性。IPX7、IPX8については水滴や水流に対する耐水性ではなく、水没に対する耐水性を表している。イメージとしては、うっかり数秒程度、水のなかに落としても機能不全に陥らない程度の防水性。私のようなドジっ子はIPX7以上のものを選ぼう。
IPX8長時間、水中のなかに入れても浸水の心配がなく機能不全に陥らない程度の防水性。IPX7のパワーアップ版。何なら、水で満たされたビンのなかに入れて保管できるくらいの圧倒的な耐水性能を備えている。日常生活で使うにはややオーバースペック感が漂うほど。

防水性能についてのワンポイントアドバイス!

IPX1~8については基本的に数値が高くなるほど防水性能も高くなります。ただ、IPコードのなかでも防水性に関しては、それぞれ浸水の仕方に応じて3つの段階に分かれているということに注意しておきましょう。

  • IPX1~IPX4は「水滴」にさらされたときの防水性。
  • IPX5~IPX6は「水流」にさらされたときの防水性。
  • IPX7~IPX8は「水中」にさらされたときの防水性。

「いやいや、そうは言ってもIPX8が最強なんでしょ?」と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。例えば、水中にさらされても浸水しないIPX8の製品であっても、激しい水流を当て続けられた場合には故障や不具合が発生する可能性があるのです。

これは、「水流」に対する防水性を付加するための設計構造と、「水中」にさらされたときの防水性を付加するための設計構造が異なっているため。

そのため、「水流」と「水中」の両方に対する防水性を備えた製品の場合には「IPX6/IPX8」といった表記がされています。単純に1から8で序列が決まっているわけではなく、1~4と5~6。そして、7~8の3つの区分が存在するということまで理解していただけると、IPコードの防水性についてマスターすることができます。

防水・防塵規格IPコードの種類・性能②:防塵性

IP0~6X:防塵性能について

防塵性能については0~6までの7段階に分かれています。こちらについても同じくそれぞれの種類の概要と、性能の違いについて解説します。

IP0X特に何の保護もされていない。防塵性能?そんなものはない!
IP1X直径5cm以上の固形物が製品の内部に入らないような設計構造になっている。直径5cmは、例えるなら名刺などのカードの短辺部分の長さくらい。デカい。砂というより小石。
IP2X直径1.25cm以上の固形物が製品の内部に入らないような設計構造になっている。1円玉の直径が2cmくらいなので、その半分ちょいが直径1.25cmのイメージ。まだ「防塵」というにはデカい。
IP3X直径0.25cm(2.5mm)以上の固形物や番線、ワイヤーが製品の内部に入らないような設計構造になっている。砂の直径は2mm~1/16mmなので、まだ少し物足りなさを感じる。
IP4X直径0.1cm(1mm)以上の固形物や番線、ワイヤーが製品の内部に入らないような設計構造になっている。ようやく防塵の名に恥じないレベルになったかといったところ。
IP5X製品にとって有害な粒子が一切、入らないような設計構造になっている。防塵規格の1つの完成形。
IP6X製品にとって有害か無害かに関わらず、一切何らの粉塵も内部に入らないような設計構造になっている。一般のご家庭で使用する製品にはオーバースペックぎみ。

防塵性能についてのワンポイントアドバイス!

防水規格とは異なり、防塵規格についてはIP1X~IP6Xと数字が増えていくごとに防塵性能が純粋に高くなっていきます。砂ぼこりが舞うような環境でお仕事をするような方は、IP4X以上の製品を選ぶのがおすすめです。

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防水・防塵規格IPコードの製品ならば水洗いOK?

「完全防水」表記のない製品を水洗いするのは推奨できない

例えば、最高クラスの防水・防塵性能(IP68)をもつiPhoneXSなどであっても水洗いをするのはおすすめできません。

なぜIPコードにおいて高い防水性能を備えているとされている製品であっても、水洗いしないほうがよいのか?

これは、IPコードの数値を決める際に行われるテスト内容に理由があります。IPコードの数値を決定する検査は「真水」で行われています。海水はもちろん、日本の水道水にはいろいろな成分が混じっているため水洗いをすると製品自体を傷める可能性があります。

使用を続けてきた製品には細かな傷が付いていることも

また、検査に使用されるのは出荷時の未使用新品状態の製品です。日常で実際に使いこまれて細かな傷が付いている状態の製品を水洗いした場合には、その傷から浸水して故障や不具合が発生する危険性があります。

そのため、基本的にIPコードの数値だけを基準にして安易に水洗いをしてしまうのはおすすめできません。製品のなかIPコードのほかに「完全防水」の明記があり「水洗い可能」と記載されているものがあります。こういった製品であれば、もちろん水洗いも可能です。ただ、そういった記載がない製品の場合には水に入れて洗うのは避けたほうがよいでしょう。

防水・防塵規格IPコードのまとめ

目的にあわせて最適なIPコードの製品を選ぼう

日本だけではなく世界的な標準規格として厳正なテストのもと付けられているIPコード。もちろん、高レベル・高性能なものになるほど比例するように価格も上昇していきます。「とにかく高スペックなものがよい!」という選び方もブルジョワの風味が漂っていて嫌いではありません。

ただ、やはり私と同じく使えるお金に限りがある方は、使用用途や目的にあわせて最適なIPコードの製品を選びたいところですね。

防水・防塵規格IPコードの意味や種類・性能の違いを正確に理解し、あなたにとってのベストな製品を選んでいきましょう。

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