最近では当たり前のように巷(ちまた)で使用されるようになった「DIY」というワード。おそらく、私を含めてこのDIYというワードの意味を正確に把握している方は少ないでしょう。初めてこのワードを耳にする方は、「DIY、DIYって言うけど、具体的に何の略語なの?」と疑問に思われるのではありませんか?ハイ、私も疑問です。
もともと日本では「日曜大工」という言葉がありました。最近ではDIYにおされて日曜大工という言葉はめっきりその姿を消してきていますね。ただ、DIYと日曜大工って具体的に何が違うのでしょうか。この2つの言葉の違いは分かりますか?ちなみに、私は分かりませんでした。
今回、私が皆さんの代わりにDIYという言葉の意味するところを全て調べました。DIYという言葉の正しい意味と、正確な使い方。そして、日曜大工とのニュアンスの違いについて徹底解説していきます。DIYにトライする前に、DIYという言葉の意味を正しく把握しておきましょう!
目次
DIY(Do It Yourself)の本当の意味とは?
DIYとは、「Do It Yourself」の略語
DIY(ディーアイワイ)とは、「Do It Yourself」の略語です。見てのとおり英語ですね。読み方は「ドゥーイットユアセルフ」。
造語であり、悪の帝王フリーザ様風に直訳すると「アナタ自身でやっておしまいなさい!」といったところでしょうか。「作る」という意味合いの「make」ではなく、「行動する」という意味合いの「do」を構成要素の1つにしているところが特徴的ですね。
DIYのもともとの意味とは、自分自身で行動すること
今でこそ、DIYと聞くと「物作り」というニュアンスで受け取られがちですが、もともとの意味は「自分自身で行動すること」にあります。この言葉が生まれたのは1945年前後。世界を巻き込んだ戦争、第二次世界大戦が終結してすぐの時代だと言われています。
DIYという言葉の発祥元はイギリスのロンドン
DIYという言葉の発祥元がどこであるのかについては諸説ありますが、もっとも有力な説では欧州のイギリス、ロンドンであったとされています。ロンドンって聞くと、私はビッグベンとか紅茶とかよりも名探偵コナンが頭に浮かびます。「ベイカー街の亡霊」の舞台となった場所ですね。
自分たちの手で荒廃した街を建て直すぞ!Do It Yourself!!
戦後の荒廃した街並みのなかでお金もなく、人もなく、元気もない。そんな時代にイギリスの兵士たちが「自分たちの手で街を復興させよう!」と立ち上がります。兵士・市民が一丸となって、自らを奮い立たせるために口にしたスローガンこそが「Do It Yourself」。すなわち「DIY」です。
最近はバラエティを中心に、もっぱら「楽しいDIY」というニュアンスで使われているこのワード。その裏側には、意外なほど重たい歴史が存在します。
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DIY(Do It Yourself)の本質とは?
DIYの本質は「自立」と「自己表現」
「何でも自分でやってみよう!」というのがDIYの本質。そう聞くと、何だかDIYという言葉に親しみが湧いてきますね。国家や政治的な意思、その他の外的な風潮に一切左右されることなく、自分や信頼できる少数の仲間たちと一緒に「本当に自分(たち)がやりたいことをする」というのがDIYの本質的な精神です。
頑張るあなたの信念こそが、まさにDIYの本質!
例えば、社会で嫌な思いをしながらも歯を食いしばって頑張っている方や、フリーランスで活動している方。同人などのインディーズで自費出版をしている方たち。「己の力で何かをなそう」ともがいている方たちの精神こそ、Do It Yourself(DIY)の本当の姿と言えるのでしょう。
DIY(Do It Yourself)と日曜大工の違いとは?
DIYと日曜大工はイコールではない
さてさて、DIYの本当の意味と本質について見てきたわけですが、ここからはDIYとよく混同されている造語「日曜大工」について見ていくことにしましょう。もうお分かりかもしれませんが、日曜大工はDIYを日本語訳した言葉というわけではありません。この2つの言葉はそれぞれ少し異なった意味を持っています。
日曜大工という言葉を聞くと、日曜日にだけ腕を振るう大工(職人)さんのことかな?なーんてイメージを持ってしまいますね。もちろん、そんなわきゃありません。
日曜大工の日曜の意味とは?
日曜大工の日曜とは、「日曜日」という意味ではありません。あえて英語で例えるなら「Holiday」ですね。「休日」という意味です。
なぜ、休日のことを日曜と表現するのか。この理由はもともとの日本の労働事情にあります。もともと日本社会は週休1日制がデフォルトだったのです。「日曜大工」という言葉が生まれた昭和の中ごろには公務員はもちろん、サラリーマンや自営業者も日曜日のみが休日でした。長期のお休みはお正月とお盆くらいですね。
まあ、私は今でも週休1日制ですがね!・・・泣けるぜ。
日曜大工の本当の意味とは?
すなわち、休日に趣味として、家具製作や簡単な自宅の補修作業(大工仕事)を行うことが日曜大工です。DIY(Do It Yourself)が「大工仕事も含めたあらゆる行動を自分自身で行う」という意味を持っているのに対して、日曜大工は「家具製作や家屋補修などの大工仕事を自分自身で行う」という意味を持っています。
つまり、日曜大工とはDIYのなかの1ジャンルに過ぎないということです。DIYイコール日曜大工ではありませんが、DIYのなかに日曜大工も含まれています。
ちなみに、日曜大工という日本発祥の造語を、あえて英語訳した場合には「Do it yourself carpenter」などと表現されます。「carpenter(カーペンター)」とは「大工」という意味ですね。「Do It Yourself」というワードが、日曜大工の英語訳のなかに要素として、きちんと含まれているのは何だか面白いですね。
DIYのなかには大工作業以外も含まれる
DIYのなかでも特に家具作りや自宅の補修作業などの大工仕事に限定したジャンルのことを、日曜大工というわけです。DIYのなかには、それこそイラストなどの同人活動やレザークラフトなどのハンドメイド工作。インディーズバンドでの自主音楽活動なども含まれています。日曜大工は、そんなDIYのなかの1つなのです。
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DIY(Do It Yourself)の未来とは?
DIYのこれからとは?
さて、ここからはこれからの「DIY」のあり方について、ちょっとだけ考えてみることにしましょう。DIYという言葉は第二次大戦終結後のイギリスで誕生しました。戦後復興のスローガンとして、頑張る市民を奮い立たせるための言葉が「Do It Yourself(ドゥーイットユアセルフ)」だったわけです。
戦後復興は日本にとっても重要な課題だった
イギリスからはるか9,195 kmも離れた島国、日本においても戦後復興は重要な課題でした。なんせ、そこらじゅうが焼け野原になっていましたからね。紛れもないゼロからのスタートです。ただ、第二次世界大戦が終結して戦後復興も完了し、戦争を知らない私たちヤング世代が国土を闊歩するようになってはや数十年。もはや、戦争の悲惨さは想像上のものでしかなくなりつつあります。
現代日本ではもはやDo It Yourselfの必要性も薄れた
現在の日本では、もう必死になって「Do It Yourself」をする必要もなくなりました。
食べ物が欲しければコンビニに。家具が欲しければニトリに。業者に依頼するにしても、インターネットで簡単に各業者の比較をして最安値のところに発注。
便利な世の中・・・それ自体は、とても喜ばしいことです。ただ、もともとあったハングリー精神あふれる「DIYスピリッツ」がだんだんと薄れているのは少し寂しいですね。
そんなDIY事情に変化が?
しかし、そんなDIY事情に最近、激動が走っています。第二次世界大戦の終結から70年以上が経過した現代。大消費社会のかかえる問題を解決する糸口として再びスポットライトをあてられているのが「DIY」です。
「自分でチャレンジしてみよう!」のDIY精神は、あらゆることに通じる信念!
例えば、自宅の急な水漏れを自分で修理したい。例えば、小さなお子さんがいるご家庭では近所の方に配慮して遮音フィルムを窓に自分で貼ってみたい。例えば、駐車場などに防犯用のカメラを自分で取り付けてみたい。そんな「自分の力で~したい」という意思は、さまざまな副産物をもたらしてくれます。
DIYを始めるには良い時代に
幸いなことに、現代ではホームセンターに行けばDIYアドバイザーが常駐しており、気軽に質問をしたり、助言を受けたりすることができます。また、それこそインターネットを駆使すれば、ノウハウや動画情報を簡単に入手できます。戦後復興が完了した現代。DIY精神が薄れている時代ではありますが、皮肉なことにDIYに取り組むには最適な時代でもあるのです。
日本はDIYのやりがいがある国?
日本は地震や台風などの影響で、なにかと家屋が破損しやすい環境にあります。DIY精神で家屋補修にチャレンジすることで、何が必要でどこを修理すべきなのかを把握することができます。その結果、悪質なリフォーム・補修業者の甘言に騙されることも少なくなるでしょう。
DIYの過程で入手したノウハウは生きた知識になる
DIYに取り組む間に、壁の遮音性や防音対策について調べていけば、無用なご近所トラブルを防止できるかもしれません。超高齢社会に成りつつある日本。DIYで自分のセンスにあった手すりなどを自宅に設置することで、より楽しく老後を過ごせるようになるでしょう。
飽食の時代に忘れてはならないDIYスピリッツ!
自分の力で何かを行う。これは単なる自主制作活動では決して終わりません。行動の裏には知識の蓄積が必ずあります。DIYにチャレンジすることで、きっとあなたの人生はより充実したものに変化するはずです。イギリスの戦後復興から誕生したDIY。飽食の時代に突入した日本において、その精神は現代社会の難問を打破するための光明になってくれることでしょう。
DIY(Do It Yourself)のまとめ
DIYについての情報を集めよう!
さて、DIYという言葉の本当の意味や使い方。日曜大工との違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。後半部分は少しだけ話が飛躍していたかもしれません。簡単に要約すると、
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