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【悪質】煽り運転の対策・対処方法5選!スタンガン・催涙スプレーはNG?

2017年の東名高速での痛ましい煽り運転事件から、すでに2年以上が経過しました。「人は過去から学ぶものだ」と、どこかの偉い人は言ったそうですが、一部の学ばない奴らのせいで連日のように報道される煽り運転事件。被害を受けているのはいつだって「煽られている側」です。

正直、もうウンザリだ。

なぜ、真面目に生きているドライバーさんが、あんなマトモに生きていない連中に被害を受けなければならないのか。現行の日本の法律では煽り運転をする側は、逮捕・起訴されたとしても驚くほど軽微な処罰で済んでしまいます。なかには、そもそも「起訴されない=ノーペナルティ」で社会復帰するケースまで存在します。

なんなんだそれは。本当にヘドが出ますね。

ただ、現代社会は自動車をなくしては生活できません。仕事にしろ遊びにしろアウトドアにしろ、どうしたって自動車に乗る機会が出てくる。そもそも煽り運転をするような奴らのために、真面目に安全運転をしている皆さんが自動車に乗るのをためらうこと自体がありえないことです。

いち早く法改正して、煽り運転は厳罰にしてほしい。それができないのならせめて、煽り運転をした人間は生涯、運転免許を取得できないようにしてほしい。そう思う今日この頃です。ただ、法改正がなされるまでは、私たちは積極的に自分で自分の身を守らざるをえません。今回は、そんな悪質な煽り運転に対する適切な対策・対処方法を解説させていただきます。

紅のたぬきち
紅のたぬきち
毎日の通勤や、休日の楽しいレジャー。もしも悪質ドライバーに煽られた際にはぜひ当記事記載の対策・対処方法を思い出し、毅然(きぜん)とした態度で奴らに立ち向かってください!

目次

【悪質】煽り運転にスタンガンや催涙スプレーで立ち向かうのはNG?

スタンガンや催涙スプレーは日本の法律上は携帯することが難しい

スタンガンのイラスト

煽り運転の対策・対処方法として、スタンガンや催涙スプレーを自動車に常備しておき、いざというときには自己防衛をしようと考える方も少なくありません。ただ、日本の法律(軽犯罪法)では、スタンガンや催涙スプレーなどの防犯グッズについては「正当な理由」がなければ携帯が認められないのが現状なのです。

スタンガンや催涙スプレーを合法的に携帯するには「正当な理由」が必要

催涙スプレーのイラスト

この「正当な理由」というのがミソでして。夜間にサイクリングをする際に護身用として催涙スプレーを1本ポケットに入れておいた方が、警察に「正当な理由なし」と判断され軽犯罪法違反で逮捕された事案があります。この事件は、結局のところ最高裁まで争った結果、「正当な理由あり」と認められて無罪となりました。ただ、裁判所の主張を読んでみると、いかに「正当な理由」というのが認められにくいのかが分かります。以下、最高裁判決より引用。

1 軽犯罪法1条2号にいう「正当な理由」があるとは,同号所定の器具を隠して携帯することが,職務上又は日常生活上の必要性から,社会通念上,相当と認められる場合をいい,これに該当するか否かは,当該器具の用途や形状・性能,隠匿携帯した者の職業や日常生活との関係,隠匿携帯の日時・場所,態様及び周囲の状況等の客観的要素と,隠匿携帯の動機,目的,認識等の主観的要素とを総合的に勘案して判断すべきである。
2 職務上の必要から,軽犯罪法1条2号所定の器具に当たる護身用に製造された比較的小型の催涙スプレー1本を入手した者が,これを健康上の理由で行う深夜路上でのサイクリングに際し,専ら防御用としてズボンのポケット内に入れて携帯したなどの本件事実関係の下では,同隠匿携帯は,同号にいう「正当な理由」によるものであったといえる。
(2につき補足意見がある。)

引用:最高裁判所第一小法廷| 平成20(あ)1518

煽り運転対策にスタンガンや催涙スプレーを携帯することは「正当な理由」にならない?

実のところ、煽り運転対策にスタンガンや催涙スプレーを携帯することが合法か違法かの判断は、いまだに出ていません。たまに上記の事例を根拠にして、「防犯目的での所持は一切合法だ」と主張する方がいますが、

本判決は,飽くまで事案に即した判断を行ったものであり,催涙スプレーの隠匿携帯が一般的に本号の罪を構成しないと判断したものではない

引用:最高裁判所第一小法廷| 平成20(あ)1518/全文

という補足意見にもあるように、あくまでもケースバイケースです。個人的には今の煽り運転の事情を鑑(かんが)みれば、軽微な威力のスタンガンや催涙スプレーくらいであれば合法になるべきだと思いますが、警察の方に見つかれば先の事例のように何らかの処分を受ける可能性も捨てきれません。仮に裁判をして無罪となっても、「裁判になること」それ自体が一般の方にしてみればかなりの消耗になります。

スタンガンや催涙スプレーは逆効果になる場合も

また、スタンガンや催涙スプレーなどの相手に軽いダメージを与えるだけしかできない防犯グッズは、逆に被害を深刻化させる危険性も孕んでいます。煽り運転をするような奴らは基本的に暴力に対するハードルが低いです。中途半端にスタンガンや催涙スプレーを喰らわせると、逆上してより暴力行為に拍車がかかるケースも十分に考えられます。結局のところ、日本国内で煽り運転に対処しようと考えた場合にはスタンガンや催涙スプレーは、確かな防衛手段とはならないのが現状です。

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【悪質】煽り運転の対策・対処方法①:ためらわずに110番

煽り運転を受けたならすぐに110番通報しよう

煽り運転の対策・対処方法として一番大事なことは「ためらわずに110番通報をすること」です。私を含め日本人は何か問題に直面した際に、大ごとにするのを避ける傾向があると言われています。110番通報をして警察官を呼ぶ行為に、何となくハードルの高さを感じている方は少なくないでしょう。ただ、特に煽り運転については、ためらわずにすぐに通報するのが正解です。

最寄りの警察署や交番があれば直接向かうのも効果的

最寄りに警察署や交番などがあれば直接、自動車で助けを求めるのも効果的です。ただ、地方の交番は無人の場合もありますので、警察署が付近にない場合にはやはり110番通報をするのがベストですね。

110番通報をする際には以下の伝え方を参考に

110番通報をする際には、以下のフォーマットを参考にしながら状況を落ち着いて伝達するようにしましょう。

1、どういう事情で110番通報をしたのかを伝える。

例:煽り運転の被害を受けていること。

2、いつ被害を受けている(受けた)のかを伝える。

例:現在進行形で被害を受けていること。

3、現在地の住所を伝える。

例:東名高速道路の〇〇インターチェンジ付近。

※場所が正確に分からない場合には、目印となるコンビニや銀行名を伝えよう。電柱には住所が書かれているものがあるので確認してみるのも良いですね。スマホやカーナビで現在地を確認するのも効果的です。

4、具体的にどのような被害を受けているのかを伝える。

例:蛇行運転で執拗に追い回されている。高速道路で無理やりに停車させられている。

5、犯人の情報を伝える。

例:煽り運転をしている車両のナンバーや車種・カラー。具体的な車種名が分からない場合には、軽自動車や乗用車といったアバウトな情報でもOK。煽り運転をしている相手ドライバーの性別や身長、人相。武器を所持しているかなども伝えよう。

6、自分(通報者)の情報を伝える。

例:自分の名前や住所を落ち着いて伝えよう。

一般的に日本の警察は通報から10~15分ほどで現場に到着してくれます。通報してきちんと上記の情報を伝達すれば、必ず助けに来てくれますので慌てなくても大丈夫。煽り運転の被害を受けたら、早い段階でためらわずに落ち着いて110番通報をしましょう。

【悪質】煽り運転の対策・対処方法②:ドア・窓は絶対に開けない

しっかりとドア・窓をロックしよう

煽り運転の対策・対処方法として絶対にやっておきたいことは「ドア・窓をロックすること」です。煽り運転のなかには、無理やりにこちらの自動車の前に割り込んで停車させてくるケースがあります。停車させたあとで、煽り運転をしている側が表に出てきて「お前も外に出てこい!」と脅してくるわけですね。

煽り運転をする奴らには籠城がもっとも効果的

こちらのドアロックを解除しようと、無理やりにガチャガチャとドアや窓を開けようとしてくる奴もいます。なかには幼稚な挑発をしてくる輩もいますね。しかし、このときに絶対に車外に出てはいけません。ドアロックとウィンドウを閉めて、車中に籠(こも)ってください。

警察官が到着するまで自動車の車中でゆっくり待とう

そして、警察が到着するまで待ちましょう。このときにドライブレコーダーがあれば撮影モードをON&維持。ドライブレコーダーがない場合にはスマートフォンなどで相手の状況を録画してください。画像や音声だけでも記録しておくと、あとあとの処理で有利に働く場合があります。慌てる必要も怖がる必要もありません。大丈夫です。深く息を吸って心を落ち着けてください。相手が何かをわめいてきても、いっさい気にする必要はありません。

煽り運転をする奴らと会話する必要はない

相手の挑発にのって車外に出てしまうのは論外ですが、「相手も同じ人間。話せばきっと分かってくれるはず……」と対話するためにドアや窓を開けるのも絶対にNGです。煽り運転をする奴らは、そもそも話が通じるような相手ではありません。話が通じるような相手なら、そもそも煽り運転なんてしていません。どんな事情があれ危険運転をして他車を煽った挙句に、こちらに詰め寄ってくるような人間は、その時点で十分に暴力的です。

交渉するなら警察官立ち合いで行うのが鉄則

話しても無駄。言葉を聞くだけ損です。交渉するなら警察官が来てから。警察官立ち合いのもとで行っても何ら遅くはありません。繰り返しになりますが、ドアや窓は絶対に開けてはいけません。「煽られているな」と感じたなら、すぐに110番通報をしつつドアロックが閉まっていることを確認し、窓もすぐに閉じてください。これだけでも煽り運転の対策・対処方法としては十分に効果的です。

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【悪質】煽り運転の対策・対処方法③:不審車からは距離をとろう

不審な走行をしている自動車には近づかない

煽り運転をする奴らは、大抵が粗暴な運転をしています。蛇行運転をしていたり、ラインまたぎをしていたりと、法令順守を意識していないのが見ていて伝わってくるような走行をしているケースが多いですね。もしも、そういった不審な自動車が前方、あるいは後方に存在したなら、トラブルに巻き込まれる前に距離をとるのが一番です。

煽り車両を追い越して距離をとるのはNG

不審車からの距離のとり方としては、「追い越して距離をとる方法」「追い抜かせて距離をとる方法」の2種類があります。煽り運転の対策・対処方法としては後者の方法、「追い抜かせて距離をとる方法」を選択するようにしましょう。煽り運転をするような奴らは、追い越しただけでも因縁を付けて執着してきます。

自分から停車してやりすごすのが一番よい

煽り運転をしそうな車両が付近にいたなら、最寄のコンビニや商業施設などに入ってやりすごすか、道路脇に自分から停車しましょう。高速道路であれば最寄のインターチェンジから一旦、降りて一般道に下ったのちに停車してやりすごすのもおすすめです。パーキングエリアが近くにあったならそちらに駆け込むのも良いでしょう。

停車してもすぐに車外には出ないように

多少の時間のロスにはなりますが、煽り運転に巻き込まれて自分やご家族の命が奪われるよりはマシです。もしも、停車したならすぐに外には出ずに、ドアと窓をロックした状態で車中にとどまってください。煽り運転をする奴らが執拗に追いかけてくる可能性があります。もしも、煽り運転をしていた自動車が追ってくるようならすぐに110番通報をしましょう。

【悪質】煽り運転の対策・対処方法④:ドライブレコーダーの注意

ドライブレコーダーは煽り運転対策・対処方法の鉄板アイテム

煽り運転の対策・対処方法としてはドライブレコーダーの設置が非常に有効です。もはや、ドライブレコーダーは自動車運転の必須アイテムになりつつありますね。ドライブレコーダーが搭載されているのを確認した時点で、勢いよく煽り運転をしていた奴らがスー…っと引いていくなんてケースも少なくありません。

ドライブレコーダーは煽り運転の抑止力になる

煽り運転をしている側にも、「自分が罰せられるようなことをしている」という自覚はあります。煽り運転をしているドライバーの運転記録を見ると、違反点数がたまっていて免停直前なんていうのも珍しくはありません。だからこそ、正確に自身の犯罪記録が撮影されているドライブレコーダーの存在は奴らにとって脅威になりえるのです。

ドライブレコーダーもだいぶ価格が落ち着いてきた

昔はドライブレコーダーというと、平気で1台3~4万円もしましたが最近ではだいぶリーズナブルになりましたね。技術革新によって1万円程度で購入できるようなドライブレコーダーでも、十分に実用的なレベルにまで向上してくれました。「お守り」としての意味を含めて、まだドライブレコーダーを導入していないという方はぜひこの機会にゲットしてください。

後方の映像も録画できないと煽り運転としての証拠が確保できない

煽り運転の対策・対処方法として、ドライブレコーダーを導入する場合には前方だけではなく後方も撮影できるタイプの製品を選ぶのが重要です。できれば360度撮影できるものがベストですが、前方・後方の2方向は必ずカバーしておきたいところ。特に煽り運転は後方から車間距離を詰められて追い回されるケースも多いです。

前方・後方を1台で同時録画できるドライブレコーダーってあるの?

自動車後方にドライブレコーダーがない場合には、「煽り運転」として立件するのが非常に困難になります。前だけではなく、後ろも撮影できるドライブレコーダーがこれからの自動車事情では必須となってくるでしょう。こちらのドライブレコーダーは前方後方を1セットで同時録画できる優れものです。私も使っていますが、取り付け簡単で値段のわりに画質も綺麗なのでおすすめします。

ドライブレコーダーにはmicroSDカードが必要

microSDカードは別売りですので、お好みのメーカー&容量のものを選んでください。16Gか32Gのもので十分だと思います。

ドライブレコーダーのステッカーも効果的

ドライブレコーダー未搭載車であっても、「ドライブレコーダーを搭載しています」というステッカーを車両後部の目立つ部分に貼っておくだけで、絡まれる可能性を減らすことができるかもしれません。本当に「お守り」代わりですが、1,000円程度で購入可能ですのでゲットしてみても良いでしょう。

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【悪質】煽り運転の対策・対処方法⑤:怖がる必要はない

慌てず・焦らず・怯えないの3拍子が大切!

地味ですが、何より大切なことは「煽られても、罵声を浴びせられても堂々とした態度でいること」です。煽り運転をしてくる側は、あたかもこちらが悪いような態度で平然と罵声を浴びせてきます。しかし、煽り運転という他人の生命・身体を危険にさらすような行動に出ている時点で、誰が何と言おうが「非は煽り運転をしている側に100%ある」のです。

悪いのは煽り運転をしている側

あおり運転のイラスト

不運にも、そんな奴らのターゲットにされて煽られてしまったドライバーさん。焦ったり怯えたりする必要はありません。正しいのはこちら、悪いのはあちらです。運転中に煽られると、アタフタと慌ててしまいますよね。しかし、どうか堂々と運転を続けてください。変に焦ったり怯えたりすると運転ミスの原因になります。

これ以上煽り運転の被害者を生まないために

煽ってくる側がどうなろうと正直どうでもいいですが、普通に運転しているだけの皆さんが怪我をしたり命を奪われたりするのはあってはならないことです。煽り運転をしている奴らなんて、威勢が良いのは最初だけ。警察官が現場に到着したら借りてきた猫のように大人しくなります。実際に、煽り運転でニュースになった加害者の連中は、揃って幼稚な言い訳をしているでしょう。くだらないと思いますよね。彼らの程度なんて、そんなもんなんです。

冷静に煽り運転の対策・対処方法を実践しよう

皆さんは、煽り運転の被害にあったとしても毅然(きぜん)とした態度で堂々と安全運転を続けていけばOKです。数年後に「ああ、そういえばあの時は変な奴に絡まれたな」と笑って話せるように、冷静に対策・対処方法を実践していってください。

まとめ

悪質な煽り運転から自分や家族の命を守ろう!

自動車は今や、なくてはならない重要な移動手段です。毎日の通勤やお買い物。それに大切な家族旅行での移動中に、理不尽な煽り運転の被害を受けて命を奪われる。そんな悲しい事件はもうあってほしくありません。ただ、現状では、煽り運転を完全に撲滅することは不可能です。どうか、今回ご紹介した煽り運転の対策・対処方法を含めて、あらゆる手段を総動員してご自分やご家族の命を守っていってください。そうでなければ、東名高速のあの事件は本当に何の意味もなくなってしまいます。

紅のたぬきち
紅のたぬきち
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。日ごろから安全運転に気を配っている皆さんが、楽しく自動車を運転していけるよう祈っています。
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